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ソシラボ古典読書会 こんな内容を学びます

社会科学の古典を読み進める読書会です。近代の社会科学に大きな影響をあたえた思想家たちの古典的名著を読書会形式で読み進めます。

市民社会が始まる少し前、封建時代の末期には、封建社会の弊害を克服しようと、啓蒙思想家や経済学者が、絶対主義的な王政にかわる社会を作る思想準備をしはじめていました。王権が神によってあたえられるといった迷信にかわって社会の成り立ちについて考察し、また経済の発展には絶対王政のような巨大な国家は不要だと考えるなど、非合理な社会に変わって理性的な社会をつくることが彼らの目標でした。

市民革命によって絶対王政は倒されます。民衆はみんなが平等で自由で友愛に満ちた「理性の王国」を手に入れたはずでした。ところが、その期待ははずれます。新たに生まれた社会は、労働苦、貧困、失業、恐慌によって働く人々が困窮する資本主義社会だったのです。

人々は、こんな問題が起きるのは、啓蒙主義思想が不完全だったからだと考え、市民社会に替わる新しい理想社会を求めて社会を改革しようとし始めます。やがて自然科学と産業の発達がもたらした科学的な考え方の影響を受けて、世界や社会や人間のあり方についての考え方(世界観)が大きく変化していきます。そして、資本主義という社会はどう理解しなければならないのか、そして、その理解に基づいてどのように社会は改善できるかが検討され、明らかにされていきます。

目次

これまで読了した文献

F. エンゲルス『空想から科学へ』 

資本主義に替わる新たな社会をつくろうと、啓蒙思想を引き継ぎ生まれた社会思想は、社会主義思想でした。
資本主義が未発達の中で生まれた思想は、資本主義社会を十分に分析できず、理想に合わせて社会を変えようとするユートピア(空想)思想でした。やがて、このような思想や思想に基づく社会運動をふまえ、資本主義社会の法則をリアルに捉え、その法則を利用して社会を変える考えが生まれます。マルクスやエンゲルスによって生まれた新しい社会思想は科学的社会主義と呼ばれます。

空想から科学へ
フリードリヒ・エンゲルス

F. エンゲルス『フォイエルバッハ論』 

マルクスやエンゲルスの思想は、ドイツ古典哲学、イギリスの古典経済学、フランスやイギリスの社会主義思想を基盤としていました。『フォイエルバッハ論』は、その哲学について、科学的社会主義の哲学がドイツ古典哲学からの発展してきたことを明らかにしています。

哲学者フォイエルバッハは、近代ドイツの哲学の代表者であるヘーゲルに対して、唯物論の立場からヘーゲル哲学の否定的側面であった観念論を否定しました。しかし、彼の唯物論は不徹底であり、また、ヘーゲルの積極的側面である弁証法を継承・発展させるものではありませんでした。これに対して、マルクスやエンゲルスは、より徹底した唯物論と弁証法とを結合させた「弁証法的唯物論」を示すことで、フォイエルバッハを批判して、ヘーゲル哲学を真に批判したあらたな哲学を切り開くことになりました。

F. エンゲルス

これから取り扱う文献

V.レーニン『帝国主義論』

ロシア革命の指導者で文筆家であったレーニンは、20世紀の初頭に世界の資本主義が従来の自由競争に基づく資本主義から新しい資本主義=独占資本主義に変化したことを明らかにしました。

巨大な企業となり生産力を高度に発展させた独占資本は、その経済力で労働者と中小資本家の所得を抑制し、需要と供給の不均衡から生じる恐慌を深刻化させます。独占資本は国家と癒着し、肥大する国家の予算を利用して蓄積をすすめ、とくに経済の影響を受けにくい軍事部面での結びつきを強めます。

独占資本が国内の消費を抑制する結果、市場の狭さを海外への進出で克服しようと独占資本は商品輸出や資本輸出をすすめますが、他の発達した資本主義諸国の独占資本も同様なので、激しい国際競争が生じます。このときに、癒着した国家の軍事力を借りて他国の資本を海外の市場から閉め出すために植民地が作られるようになり、世界は植民地に分割されます。経済の不均等発展は国々の間の力関係を変えてしまうので、新しい力関係による植民地の再分割闘争が生まれ、植民地の争奪のための戦争が生じます。これは世界戦争につながる可能性を持ちます。

レーニンは20世期は帝国主義の時代になったとし、戦争の原因が独占の利潤追求にあること、戦争を無くすには自国の勝利に協力するのではなく、他国の人びととともに独占資本主義を克服しなければならないことを明らかにします。

このように、戦争を外交や軍事的衝突の経過で見るのではなくて、その社会の利害関係からみることが、ものごとの本質にせまります。今日まで戦争が絶えず繰り返されている理由とその解決の方向を考える上で読書する意義のある文献として、採り上げることにしました。

帝国主義論
V.I.レーニン

こんな方におすすめします

  • 社会科学の古典を通じて、科学的社会主義の創始者たちが発見した世界観(ものの見方・考え方)を学びたい方。
  • 社会の成り立ちと歴史の法則を学びたい方。
  • 近代の社会思想の歩みを知りたい方。
  • 社会科学を学ぶ上で必要な方法論を学びたい方。

カリキュラム

【読書会方式】毎月第1週・第3週の水曜日の20:30〜22:00

【教室】Zoomを使ったリモート教室

【テキスト】V.レーニン『帝国主義論』聴濤弘訳、新日本出版社

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この記事を書いた人

管理人の朝日です。
ソシラボの代表として社会問題で悩む人々のお悩み解決に向けて、色々な講座を開いています。関西出身だけど、鹿児島大好きで、鹿児島をよくしたいと思っています。

短大の退職を機に「社会科学研究室ソシラボ」を立ち上げました。ソシラボは、社会を学び考えるセミナーとドイツ語・ヨーロッパ文化教室、就活生支援「名山塾」を運営してます。
これらの学びを支える書籍の執筆も行っています。

どうぞ、よろしくお願いします。

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