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2024年6月の開講講義

目次

5月の開講講義

【経済学】資本論学習会

【哲学】古典読書会2は、6月はお休みで、7月から新企画『フォイエルバッハ論』の読書会を開講します。

 ソシラボ『資本論』学習会では、K.マルクス『資本論』第1巻の講義をおこなっています。。
 6月は、第1巻の第7篇を対象に、資本の蓄積の運動とその作用についての検討を行います。剰余価値の最大化を求めて資本は拡大再生産をおこなうことで、どんどんと大きな資本へ蓄積していきます。そこから発生する労働力需要の拡大が、好景気をもたらし、賃金の高騰をまねきます、その結果、剰余価値率が低下し、さらに蓄積することで、以前より多くの利益を上げることができない点を超えてしまいます。そうすると、資本は蓄積をストップしようとします。景気上昇の中の消費拡大を見越して作られていた商品や設備が過剰であることがわかり、商品は投げ売られ、工場は操業を停止し、企業倒産が広がる経済恐慌を発生させます。失業と低賃金がひろがることで剰余価値率が上昇すると、資本はふたたび不死鳥のように蓄積を開始します。こうして資本主義には景気変動が生じます。賃金上昇を回避しながら蓄積するには、労働力に代わって機械を用いることで、総賃金を抑制しながら蓄積をしていく方法がとられます。
 景気変動によるものだけでなく、技術進歩を資本主義的に用いることで、資本の蓄積は、大量の失業者(過剰人口)を産み出すことになります。
 マルクスは、これを資本主義的人口法則と呼び、仕事に対して人が多すぎるから失業が生まれると考えていたマルサスなどの主張を批判し、いわば人手不足が失業を産み出す資本主義の雇用をめぐる法則を明らかにしました。
 講義はレジュメを使った講義方式で行います。

 6月は、6/12(水)、5/26(水)、20時30分〜22時に開講予定です。

 古典読書会2(火曜日)は6月はお休みとし、7月9日の20時~21時から隔週で、エンゲルスの『フォイエルバッハ論』の読書会を開催します。

 近代哲学の発展はヘーゲルの哲学で頂点に達しますが、それらの哲学は、世界の根源を精神やイデーといった神秘的なものと考える観念論でした。観念論を批判して、物質や運動が根源であるという唯物論を唱えたのがフォイエルバッハです。近代の資本主義と科学技術の発達の中で観念論の前提となる認識が次々と覆されている中で、その発展は必然性をもっていたわけですが、フォイエルバッハの主張にも非合理性があり、なりよりも世界が変化のなかにあることをとらえら弁証法についての認識不足がありました。
 マルクスやエンゲルスは、この弱点を克服するために、弁証法的唯物論の見地に到達し、世界の神秘性を払拭するとともに、自然会や人間界が合理的に発展する法則を解明します。その葛藤を体験しながら、ものの見方、考え方の基礎を検討します。

第1回の読書会は、7月9日20時〜21時です。

【哲学、自然科学、社会科学】

古典読書会1『反デューリング論』

『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会

5/18に学習会が修了しました。
次回以降の開催については、改めてご連絡します。

ペルガモン神殿のレリーフ(ベルリン・ペルガモン博物館)

 ソシラボ古典読書会1では、エンゲルスの『反デューリング論』秋間実訳、新日本出版社、の読書会を開催します。
 19世紀、ドイツでは資本主義が急速に発展するにつれ資本主義が生み出す社会的矛盾が労働運動の発達を産み出していました。様々な科学的発見や産業の発達の中で、労働者は労働運動を発展させ社会を変革するために、社会法則の認識や自然法則の認識をすすめる必要に迫られます。様々な思想的立場をもった集団によって形成されていた社会民主党の中でも、次第に科学的社会主義の立場に立つマルクスの影響が浸透していきます。

 そんな中でベルリン大学の講師であったオイゲン・デューリングは、社会主義運動に接近して労働者政党である社会民主党に一定の影響力をもつようになります。デューリングの主張は、社会改良的な内容を持つだけでなく、ダーウィンの進化論の批判、科学的社会主義以前のユートピア社会主義者や社会運動の否定、マルクスの科学的社会主義に反対するものでした。

 エンゲルスは、デューリングの主張の非科学性を明らかにするために、デューリングが取り扱った様々な科学領域について、批判的解明をおこなうことになります。そのため、本書の内容は、哲学、自然科学および社会科学の諸領域におよび、それぞれの領域において重要な内容について、科学的社会主義の立場からの解明をおこなうことになりました。科学的社会主義の理解をすすめるうえで重要な指針となる著作を検討していきたいと思います。

6月は 6/5(水)、6/19(水)、20時30分〜22時開催予定です。

 ソシラボ『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会では、拙著にもとづいて、第2次世界大戦以降の現代資本主義における資本・賃労働関係について学習します。
 労働者の利益を守るはずの労働組合が、財界とフレンドリーに、賃上げや処遇改善といった労働者の要求に背を向け、活動的な労働者に対して企業といったいとなってハラスメントを行うといったことは希ではありません。また、これは日本だけの現象ではなく、世界中でみられることです。
 特に、日本は長時間、過密、低賃金状態であり、ブラック企業・カローシといった言葉が海外で通用するようなとんでもない状況にあります。そのような社会現象が生じる理由を法則的にとらえます。

 




受講方法

受講をご希望の方は、こちらから。

ドイツ語講座

アーヘン市役所

ドイツ語講座は、に、ドイツの新聞・雑誌やその他メディアから文章を取り出して生きたドイツ語を読み解く内容になりました。
実際の記事などを読み解くのはなかなか大変ですが、頑張れば力がついてきそうです。

これまでは、

小話のジョーク
イタリアへのチュニジアからの不法移民にたいするEUやイタリア政府についての報道記事
ドイツの東西における難民受入についての世論の変化
ヨーロッパ統合の歴史的文書 
に関する文章をとりあげてきました。

3月半ばからは、Erinnerung von Professor Steinberg 1939 – 1945 を採りあげ、第2次世界大戦の最中、ポーランドのダンツィヒで育ったシュタインベルク教授の体験をもとに、ナチスの占領、ソビエト軍の侵攻などの体験談を採りあげます。
 ダンツィヒは、中世の自由都市でしたが、近代はプロイセンの中の自由都市として存在していました。第1次世界大戦後の戦後処理の中で、プロイセンにかわってポーランド王国領の中の自由都市国家として存在することになるのですが、当時は98%がドイツ人、2%がユダヤ人という国でした。1939年9月1日、ヒトラーが率いるナチ国家ドイツは、ポーランドと開戦し、まっさきにダンツィヒの町を占領します。
 子供であったシュタインベルク教授は、ユダヤ人が強制連行されていくこと、自分の出産を手助けしたユダヤ人医師がユダヤ人のみを診るように受診者を制限され、その地にいられなくなることなどを、体験していきます。
 終戦までそこで何が行われたか、自分の体験にもとづいた話が、リアルに語られます。

日時 隔週日曜日10時30分〜12時00分 ※ 

5月は、5/12(日)、5/26日(日)は10時30分〜12時です。
会場が下記から変更になる予定です。参加前の確認をお願いします。

会場 鹿児島市勤労者交流センター(中央駅前のイーオン7階よかセンター)や、その他の公共施設で開催します。

受講方法

受講をご希望の方は、こちらから。

関連文献のご紹介

ところで、1989年のベルリンの壁崩壊以降のグローバル化とは何かについて解説したのが、朝日吉太郎編著『グローバル化とドイツ経済・社会システムの新展開』文理閣、2003年です。現在の欧州のグローバル化については朝日吉太郎編著『欧州グローバル化の新展開』文理閣、2015年が参考になります。コロナ禍・ウクライナ紛争など2020年代の欧州のグローバル化については、著作を計画中です。

2024年6月の時間割

料金

スクロールできます
講座名社会人(1回:税込み)学生・高齢者・その他
『資本論』学習会1000円(月2000円)500円(月1000円)
古典読書会1マルクス『賃金・価格・利潤』1000円(月2000円)500円(月1000円)
古典読書会2エンゲルス『空想から科学へ』「英国版への特別序文」1000円(月2000円)500円(月1000円)
朝日吉太郎『現代資本主義と資本・賃労働関係』読書会1000円(月1000円)500円(月500円)
ドイツ語講座2000円(月4000円)1000円(月2000円)
料金一覧

受講予約

メールでのお申し込み : info@soscilabo.com

お問い合せフォーム:

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この記事を書いた人

管理人の朝日です。
ソシラボの代表として社会問題で悩む人々のお悩み解決に向けて、色々な講座を開いています。関西出身だけど、鹿児島大好きで、鹿児島をよくしたいと思っています。

短大の退職を機に「社会科学研究室ソシラボ」を立ち上げました。ソシラボは、社会を学び考えるセミナーとドイツ語・ヨーロッパ文化教室、就活生支援「名山塾」を運営してます。
これらの学びを支える書籍の執筆も行っています。

どうぞ、よろしくお願いします。

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