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2024年8月の開催講義

目次

8月の開講講義

【経済学】資本論学習会

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 ソシラボ『資本論』学習会では、K.マルクス『資本論』第1巻の講義をおこなっています。。
 8月は、『資本論』第1巻の第7篇を対象に、資本の蓄積の運動とその作用についての検討を行います。企業利益である剰余価値の最大化を求めて資本は追加投資による集積や合併などの集中を通じて、どんどんと大きな資本になっていこうとします。そのことが、労働者の雇用をめぐる状況を大きく変化させることになります。

 資本の蓄積は、資本規模を拡大することで、労働力需要の拡大をもたらし、それが好景気をもたらすと、労働利需要をますます増大します。その需要の増加率が労働力人口の増加率を超えると、人手不足が生じます。労働力不足は、資本家間の労働力獲得競争を激化させ、賃金の高騰をまねきます。


 この賃金上昇は、新たに作られた価値のうち、労働者に支払われる必要労働部分を増加させ、資本家が搾取する剰余労働部分を減少させます。言い換えると、剰余価値率が低下することになります。そして、さらに蓄積がヒートアップすると、新たな雇用が賃上げをさらに増加させ、資本の総剰余価値が新たに労働者を雇用する以前より、少なくなる点線を超えてしまいます。そうすると、蓄積することが減収になるので、資本は蓄積をストップしようとします。

 この蓄積のストップは、大きな社会問題を引き起こします。資本主義は無計画に競争をするシステムですから、景気上昇の中では、もっと売れるに違いないと、さらなる消費拡大を見越して商品が大量生産され、また、そのための新たね設備が行われています。蓄積のストップは、作った商品や設備投資が実は過剰であることを露わにします。商品は投げ売られ、工場は操業を短縮、または停止し、企業倒産が広がる経済恐慌を発生させます。好景気の間に作られた富や良好な収益、労働者の雇用状態、労働者の待遇は、一挙に絶望的な局面に遭遇するのです。こうして失業と低賃金がひろがり、商品の価格破壊がおこなわれ、企業倒産が相次ぎ、過剰商品と失業者があふれます。

 しかし、失業者の増大の中、労働者の労働力商品の売買競争が激化して、賃金を抑制すると、剰余価値率が上昇することになります。つまり投資をすると大いに儲かる環境が生じます。この中で、資本はふたたび不死鳥のように蓄積を開始します。こうして資本主義には景気変動が生じます。

 また、賃金上昇を生み出さないような雇用の拡大という店では、労働力に代わって機械を用いることで、総賃金を抑制しながら蓄積をしていく方法がとられます。景気変動によるものだけでなく、技術進歩を資本主義的に用いることで、資本の蓄積は、大量の失業者(過剰人口)を産み出すことになります。


 マルクスは、これを資本主義的人口法則と呼び、仕事に対して人が多すぎるから失業が生まれると考えていたマルサスなどの主張を批判し、いわば人手不足が失業を産み出す資本主義の雇用をめぐる法則を明らかにしました。
 講義はレジュメを使った講義方式で行います。

 8月は、8/7日(水)に開催します。第4クールの資本論第1巻の読書会は、今回で終了します。

次回『資本論』学習会の新クールの開催は、10月9日(水)20時30分からの予定

 10月9日(水)から、第5クールの『資本論』学習会を始めます。
 内容は、これまで同様、『資本論』第1巻の学習です。

 最新の訳の新日本出版社の『新版 資本論』の1〜4をテキストとします。
 学習会の回数は、過去の経験で、概ね隔週24回1年間で終了します。

 講義 : 月二回        (休祝日などで、調整をすることがあります)
 受講料: 社会人は一月2000円 
      学生、高齢者、障害者などの経済的理由がある場合には、月1000円(税込)が講義料です。

【哲学】古典読書会2は、『フォイエルバッハ論』を開講中です。

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 古典読書会(火)は、20時~21時から隔週(火曜日)で、エンゲルスの『フォイエルバッハ論』の読書会を開催します。

 近代哲学の発展はヘーゲルの哲学で頂点に達しますが、それらの哲学は、世界の根源を神やイデー(絶対的精神)といった神秘的なものと考える観念論でした。観念論を批判して、物質や運動が根源であるという唯物論を唱えたのがフォイエルバッハです。近代の資本主義と科学技術の発達の中で観念論の前提となる認識が次々と覆されている中で、その発展は必然性をもっていたわけですが、フォイエルバッハの主張にも非合理性があり、なりよりも世界が変化のなかにあることをとらえら弁証法についての認識不足がありました。
 マルクスやエンゲルスは、この弱点を克服するために、弁証法的唯物論の見地に到達し、世界の神秘性を払拭するとともに、自然会や人間界が合理的に発展する法則を解明します。その葛藤を体験しながら、ものの見方、考え方の基礎を検討します。


8月の読書会は、8/13、8/27の20時〜21時に開催予定です。

【哲学】古典読書会(水)『反デューリング論』

古典読書会(水)では、エンゲルス『反デューリング論』が始まりました。。

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ペルガモン神殿のレリーフ(ベルリン・ペルガモン博物館)

 テキストは、エンゲルスの『反デューリング論』秋間実訳、新日本出版社です。

 19世紀、ドイツでは資本主義が急速に発展するにつれ資本主義が生み出す社会的矛盾が労働運動の発達を生み出していました。様々な科学的発見や産業の発達の中で、労働者は労働運動を発展させ社会を変革するために、社会法則の認識や自然法則の認識をすすめる必要に迫られます。様々な思想的立場をもった集団によって形成されていた労働者政党「社会民主党」の中でも、次第に科学的社会主義の立場に立つマルクスの影響が浸透していきます。

 そんな中でベルリン大学の講師であったオイゲン・デューリングは、社会主義運動に接近して労働者政党である社会民主党に一定の影響力をもつようになります。デューリングの主張は、社会改良的な内容を持つだけでなく、ダーウィンの進化論の批判、科学的社会主義以前のユートピア社会主義者や社会運動の否定など、マルクスの科学的社会主義に反対するものでした。

 エンゲルスは、デューリングの主張の非科学性を明らかにするために、デューリングが取り扱った様々な科学領域について、批判的解明をおこなうことになります。そのため、本書の内容は、哲学、自然科学および社会科学の諸領域におよび、それぞれの領域において重要な内容について、科学的社会主義の立場からの解明をおこなうことになりました。科学的社会主義の理解をすすめるうえで重要な指針となる著作を検討していきたいと思います。

8月は 8/28(水)20時30分〜22時、開催予定です。

『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会

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ドイツの金属労組(IG Metall)の最低賃金の上昇を要求するデモンストレーション 2024年

 ソシラボ『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会では、拙著にもとづいて、第2次世界大戦以降の現代資本主義における資本・賃労働関係について学習します。
 労働者の利益を守るはずの労働組合が、財界とフレンドリーに、賃上げや処遇改善といった労働者の要求に背を向け、活動的な労働者に対して企業といったいとなってハラスメントを行うといったことは希ではありません。また、これは日本だけの現象ではなく、世界中でみられることです。
 特に、日本は長時間、過密、低賃金状態であり、ブラック企業・カローシといった言葉が海外で通用するようなとんでもない状況にあります。そのような社会現象が生じる理由を法則的にとらえます。

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ドイツ語講座

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アーヘン市役所

ドイツ語講座は、に、ドイツの新聞・雑誌やその他メディアから文章を取り出して生きたドイツ語を読み解く内容になりました。
実際の記事などを読み解くのはなかなか大変ですが、頑張れば力がついてきそうです。

これまでは、

小話のジョーク
イタリアへのチュニジアからの不法移民にたいするEUやイタリア政府についての報道記事
ドイツの東西における難民受入についての世論の変化
ヨーロッパ統合の歴史的文書 
に関する文章をとりあげてきました。

3月半ばからは、Erinnerung von Professor Steinberg 1939 – 1945 を採りあげ、第2次世界大戦の最中、ポーランドのダンツィヒで育ったシュタインベルク教授の体験をもとに、ナチスの占領、ソビエト軍の侵攻などの体験談を採りあげます。
 ダンツィヒは、中世の自由都市でしたが、近代はプロイセンの中の自由都市として存在していました。第1次世界大戦後の戦後処理の中で、プロイセンにかわってポーランド王国領の中の自由都市国家として存在することになるのですが、当時は98%がドイツ人、2%がユダヤ人という国でした。1939年9月1日、ヒトラーが率いるナチ国家ドイツは、ポーランドと開戦し、まっさきにダンツィヒの町を占領します。
 子供であったシュタインベルク教授は、ユダヤ人が強制連行されていくこと、自分の出産を手助けしたユダヤ人医師がユダヤ人のみを診るように受診者を制限され、その地にいられなくなることなどを、体験していきます。
 終戦までそこで何が行われたか、自分の体験にもとづいた話が、リアルに語られます。

日時 隔週日曜日10時30分〜12時 ※ 

8月は、8/4日(日)、8/18(日)は10時30分〜12時です。

会場 鹿児島市勤労者交流センター(中央駅前のイーオン7階よかセンター)や、その他の公共施設で開催します。


関連文献のご紹介

ところで、1989年のベルリンの壁崩壊以降のグローバル化とは何かについて解説したのが、朝日吉太郎編著『グローバル化とドイツ経済・社会システムの新展開』文理閣、2003年です。現在の欧州のグローバル化については朝日吉太郎編著『欧州グローバル化の新展開』文理閣、2015年が参考になります。コロナ禍・ウクライナ紛争など2020年代の欧州のグローバル化については、著作を計画中です。

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2024年8月の時間割

料金一覧

講座名社会人
(1回:税込み)
学生・高齢者・その他
(1回:税込)
『資本論』学習会1000円(月2000円)500円(月1000円)
古典読書会1エンゲルス『反デューリング論』1000円(月2000円)500円(月1000円)
古典読書会2エンゲルス『フォイエルバッハ論』1000円(月2000円)500円(月1000円)
朝日吉太郎『現代資本主義と資本・賃労働関係』読書会1000円(月1000円)500円(月500円)
ドイツ語講座2000円(月4000円)1000円(月2000円)

受講予約

メールでのお申し込み : info@soscilabo.com

お問い合せフォーム:

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この記事を書いた人

管理人の朝日です。
ソシラボの代表として社会問題で悩む人々のお悩み解決に向けて、色々な講座を開いています。関西出身だけど、鹿児島大好きで、鹿児島をよくしたいと思っています。

短大の退職を機に「社会科学研究室ソシラボ」を立ち上げました。ソシラボは、社会を学び考えるセミナーとドイツ語・ヨーロッパ文化教室、就活生支援「名山塾」を運営してます。
これらの学びを支える書籍の執筆も行っています。

どうぞ、よろしくお願いします。

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