資本論学習会
古典読書会『空想から科学へ』
ソシラボ『資本論』学習会では、K.マルクス『資本論』第1巻の講義をおこなっています。。
3月は、第1巻第8章「労働日」の講義です。労働時間がなぜ延長されるのか、ブラック企業を生み出す根本的原因が解明されます。工場法(労働基準法)がなぜ生まれるか、労働時間の長さを決定するのは資本家と労働者の力関係であることが解明されます。
講義はレジュメを使った講義方式で行います。
3月は、2/6第1水曜日、3/20第3水曜日、20時30分〜22時
ソシラボ古典読書会2の3月の読書会では、F. エンゲルスの『空想から科学へ』の「英語版への特別の序文」を教材に、エンゲルスが英国の読者向けに書いた序文を検討します。
当時のイギリスは、中流層の「頑迷な宗教的態度」とそれには批判的だが、徹底的な唯物論(この世界の本源は神とか精神といった神秘的なものではなく、物質やその運動にあるという考え)の立場に立ちきれない「不可知論(ものごとの真の姿を人間は理解出来るかどうかわからないという考え方)」が大きな影響を持っていました。
イギリス人にとっては、あまり馴染みがなくヨーロッパ大陸的な考え方かな、と、違和感をもたれがちな唯物論について、エンゲルスは、その考えはもともと近代イギリスで生まれた経験主義から発達し、フランスやドイツで唯物論へと発展したものであることを伝えます。さらに不可知論自体の問題点を示して、弁証法的唯物論、私的唯物論の理論の科学性を示しています。
当時の、科学的なものの見方、考え方を別な考え方と比較しながら、真実を認識するということはどういうことなのか、「不可知論」との対話を通じて考えます。
文献を精読して、みんなで議論してすすめる読書会型の講義です。
毎月 第1、第3火曜日、19時〜20時
古典読書会『賃金、価格および利潤』
『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会
ソシラボ古典読書会1では、マルクスによる「賃金、価格および利潤」をとりあげます。同書は、マルクスが国際労働者協会(インターナショナル)でおこなった演説原稿をマルクスの死後に公刊したものです。
当時のインターナショナルは、世界初の国際的労働運動の組織であり、様々な団体が参加し、理論的にも立場でも確立されたものではありませんでした。
マルクスの演説内容は、参加者の一人であるウェストンが主張した意見を批判するとともに、科学的社会主義の立場から労働運動を科学的にすすめる指針を与えるものでした。
ウェストンの主張は、労働者が賃上げしても物価が上がり、結局実質賃金が上がらないのだから、運動をするだけムダだ、というもので、今日でもブルジョア経済学者の中には同様の主張をする人もいるようです。
マルクスは、生活必需品部分の高騰が一時的に生じても、その部門に奢侈部門からの資本が流入して、やがて価格が落ち着くことを明らかにします。
それは、逆に賃上げによる利潤低下が奢侈部門の資本家の利潤を減少させることで奢侈部門への需要を減少させ、その結果、生活必需品生産部門へと資本が流出することで、生活必需人生産部門の供給が拡大し、やがて価格は安定し、結局全体として諸商品全体の価値総額は増減せず、ただ資本家の利潤総額が減少し賃金総額が上昇することになります。こうしてウェストンが主張した「賃上げが労働者にとって無意味だ」という主張は、誤った一部門だけの影響を考え、さらに、長期にわたって何が生じるかということを考えていない謬論であることが明らかになります。ではないことを示します。『資本論』の読者にとっても応用問題みたいですが、部門間の資本移動や時間の経過と価格の変動をふまえつつ、一時的な価格の変動のみをみるフォークトの狭さを広い視点から批判しています。
3月は 第1火曜日3/5、第3火曜日3/19、20時30分〜22時
本書の読了後は、E.エンゲルス『反デューリング論』の読書会を検討しています。
ソシラボ『現代資本主義と資本・賃労働関係』学習会では、拙著にもとづいて、第2次世界大戦以降の現代資本主義における資本・賃労働関係について学習します。
労働者の利益を守るはずの労働組合が、財界とフレンドリーに、賃上げや処遇改善といった労働者の要求に背を向け、活動的な労働者に対して企業といったいとなってハラスメントを行うといったことは希ではありません。また、これは日本だけの現象ではなく、世界中でみられることです。
特に、日本は長時間、過密、低賃金状態であり、ブラック企業・カローシといった言葉が海外で通用するようなとんでもない状況にあります。そのような社会現象が生じる理由を法則的にとらえます。
毎月 第2土曜日、10時〜12時
※ 3月は第1土曜日3/2と第3土曜日3/17に開催します。
ドイツ語講座
アーヘン市役所
ドイツ語講座は、に、ドイツの新聞・雑誌やその他メディアから文章を取り出して生きたドイツ語を読み解く内容になりました。
実際の記事などを読み解くのはなかなか大変ですが、頑張れば力がついてきそうです。
これまでは、
小話のジョーク
イタリアへのチュニジアからの不法移民にたいするEUやイタリア政府についての報道記事
ドイツの東西における難民受入についての世論の変化
ヨーロッパ統合の歴史的文書
に関する文章をとりあげてきました。
3月半ばからは、Erinnerung von Professor Steinberg 1939 – 1945 を採りあげ、第2次世界大戦の最中、ポーランドのダンツィヒで育ったシュタインベルク教授の体験をもとに、ナチスの占領、ソビエト軍の侵攻などの体験談を採りあげます。
日時 隔週日曜日の10時30分〜12時00分 ※
3月3日(日)は17時00分〜18時30分です。
会場 鹿児島市勤労者交流センター(中央駅前のイーオン7階よかセンター)や、その他の公共施設で開催します。
ところで、1989年のベルリンの壁崩壊以降のグローバル化とは何かについて解説したのが、朝日吉太郎編著『グローバル化とドイツ経済・社会システムの新展開』文理閣、2003年です。現在の欧州のグローバル化については朝日吉太郎編著『欧州グローバル化の新展開』文理閣、2015年が参考になります。コロナ禍・ウクライナ紛争など2020年代の欧州のグローバル化については、著作を計画中です。
2024年2月の時間割
料金
講座名 | 社会人(1回:税込み) | 学生・高齢者・その他 |
『資本論』学習会 | 1000円(月2000円) | 500円(月1000円) |
古典読書会1マルクス『賃金・価格・利潤』 | 1000円(月2000円) | 500円(月1000円) |
古典読書会2エンゲルス『空想から科学へ』「英国版への特別序文」 | 1000円(月2000円) | 500円(月1000円) |
朝日吉太郎『現代資本主義と資本・賃労働関係』読書会 | 1000円(月1000円) | 500円(月500円) |
ドイツ語講座 | 2000円(月4000円) | 1000円(月1000円) |
受講予約
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